どうしても英熟語が覚えられない受験生のみなさんへ・・・・朗報があります。

先週末、女房殿の実家に行ってきました。例によってジージとバーバのお目当ては孫たちなので、私は適宜かなり自由な時間をすごすことができます。そこで、日曜日の午前中、最寄駅近くにある、ある古本屋に行ってみました。犬も歩け棒にあたる、とはよく言ったもので、そこで私は思いがけない本を見つけました。『トンデモ本の世界』と『トンデモ本の逆襲』。以前から、一度読んでみたい、と思っていた本でした。そんなわけで、どちらも破格の300円で購入しちゃいました。
この世界に親しんだことのない方々のために一言そえさせていただくと、「トンデモ本」というのは、単にとんでもないことが書かれている書物ではなく、著者曰く「著者が意図したものとは異なる視点から読んで楽しめる」本、と定義されます。
では、トンデモ本の具体例を一つ挙げてみましょう。
村上龍一の入試にでる英熟語を1週間で覚えてしまう本―合格の決め手になる最重要熟語560
秋も深まる10月下旬、来春の大学受験にむけて、焦燥と不安の日々を過ごしている受験生諸君には、なんとも力強い一冊です。不肖もさきほど、amazonマーケットプレイスにて、280円で注文いたしました。いえいえ、大学受験する予定はないのですが、英熟語560個を1週間で習得できるとあれば、四十の手習いの身であっても、いろんな意味で、この上なく魅力的だからです。
前述の『トンデモ本の世界』によれば、村上龍一氏の英熟語暗記法は視覚的イメージを抱くことに主眼を置いたもののようです。例えば、「トイレ掃除のバイトをしていたオバケのQ太郎が、便器にまたがったままズーズー眠ってしまい汚物でトイレを汚した桂文珍を見つけ、ブーブー非難している」シーンを思い描いてみましょう。すると、びっくり仰天、"accuse (誰) of (何)/(誰)を(何)のかどで非難する"という熟語が自然に覚えられてします・・・・・んなわきゃねぇじゃん(爆)! だいいち、"of"と"accuse"の語呂合わせでオバQが出てくるのはいいとして、なんで桂文珍が登場しなくちゃいけないのさ(笑)!
もっとおかいしいのは、amazonのカスタマーレビューに登場する、この本を「語彙力アップのため」に購入したという、向上心旺盛な、なかた君。彼は、★1つの評価を下し、気の毒なことに「私はこの本では覚えられませんでした・・・」とひどく落胆しています。おまけに彼は、「一日数時間かけて声を出して必死に暗記した」のですが、当然のごとく、「家族からは、つぶやいている内容について笑われ」てしまいました。それでも、なかた君は「恥をしのんでしばらく暗記に精をだし」たのだそうです。彼の悲劇は、家族に笑われただけにはとどまりません。なんと、「テストの時には、長文を読むたびに暗記の時に出てきた登場人物がイラスト付きで頭の中を駆け回ってしまい困」ってしまうことになります。そりゃそうでしょう。"accuse of"で出てくるたびに、バイト中のオバQと汚物をまきちらす桂文珍の悪夢が駆け巡るのですから。
なかた君のアドバイスはこうです。「多くの事を思い浮かべなくてはなりません。普通に書くなり読むなりして覚えた方が楽しさは無いかもしれませんが、忘れないと思います」。ありがとう、なかた君。でも、いえ、だからこそ、ぼくはこの本を買います。いくら君が「私には効かない本でした」と言おうと、世の中には、笑いを忘れた大人たちがたくさんいて、このような本を必要としているのです。いずれ君にも、この本の偉大さが理解できるはずです。本来の目的には向かなくても、なかた君、君はこの本を大切にとっておくべきです。
最後に、この『村上龍一の入試にでる英熟語を1週間で覚えてしまう本―合格の決め手になる最重要熟語560』の中から問題です。以下のイメージによっていとも簡単に覚えられる英熟語はなんでしょうか?
「道でハブに出会ったチャック・ウィルソンが、そのハブをデヤーっと投げ飛ばす方法の見当がまったくつかず、首をひっている」シーン・・・・・・・答えのわかった方は、お気軽にコメントしてください。