戦後レジームからの脱却!?

安倍さんが掲げるスローガン「戦後レジームからの脱却」ってどういうことなのかな、脱却した先はどこなのかな、と心配になるきょうこの頃。
というのも、人類が歩んできた道って、つまるところ、平時と戦時の繰り返しだったわけだから。長い平和、短い平和、長い戦争、短い戦争、これまでいろいろあったけど、終らない晴天や雨降りがないように、永遠につづく平和も戦争も、すくなくとも過去にはなかったわけです。
そう考えると、戦争と戦争の狭間の時間が平和であり、その平和を真っ二つに割れば、その前半部分が「戦後」、後半部分が「戦前」。だとすると、「戦後レジームからの脱却」は、わかりやすく言えば、「戦前レジームへの突入」を意味するってことですか、安倍さん?
例えば、炎上中の年金制度。日本の現在の年金制度は、昭和16年にスタートした「労働者年金保険」が土台になっているそうです。これは、実際には戦費調達を目指した強制貯蓄で、勤労者から集められた資金は、彼らの福祉とは別の目的で使われました。このアイデアの元はドイツの年金制度でしたが、かの国では戦後、平時に即した制度に改められたそうです。でも、日本では抜本的な改革は行われず「戦後」もほぼそのままに維持され、集まった「戦費」は兵器や軍人への給与にかわり、陳腐なハコモノ天下り役人たちのポケットへと消えて来ました。
戦後レジームから脱却する前に、「戦時レジームからの脱却」を実行しなくちゃならない日本。それとも、そんなことはさらさら眼中になく、やっぱりあなたは、戦前レジームへの突入、いや、戦時レジームへの回帰を目指しているのでしょうか、安倍さん? だったら、僕の29日の答えは「ノー」ですけど・・・・・。