健在なり、帝国主義。

最近あまり耳にしなくなったこの「帝国主義」っていう四文字には、昨今そこはかとなく郷愁すら覚えませんか、ご同輩。自民族の利益と繁栄のためには、多民族の権利なんぞはないがしろしても構わない。帝国主義ってのは、簡単に言い切ってしまうと、ま、そんな意味だと理解しています。かつて日本も、「日帝」などという冠をかぶせられ、手厳しく批判されましたね。良くも悪くも、すっかり斜陽国家に成り下がってしまった日本に彼らはもう、往時の輝きを見ることはないようですが・・・・・。
皮肉なもので、私たちの国を「日帝」呼ばわりした国への覇権を日本と競ったあの国が21世紀、残り少ない帝国主義国家として生き残り、国内外からバッシングの嵐にさらされています。
チベット。その昔、中央アジア有数の威力を誇ったこともある、天空の仏教国家。いま彼の地で西戎どもが反旗を振りかざし、乾いた大地におびただしい血潮がしみこんでいるのだそうです。かつて毛沢東は「農村は都市を包囲している」と言いました(チベットに進軍したのは、当のマオさんではありましたが)。都市生活者の恐怖はいかばかりだったか・・・・・そして今、「漢」は自分たちがエビスらに囲まれている事実に、同じように怯えているのでしょうか。それとも・・・・・。

我々としては、溜飲を下げつつ高見の見物を決め込むのもいいでしょう。でも、形を変えて、この「帝国主義」ってやつは、自分たちの身辺にもしぶとくはびこっているようにも思えます。終身雇用の砦に安住しながら、その地位を担保してくれている非正規雇用社員に「フリーター」なんというレッテルを貼ってコケにしている死にぞこない連中。要りもしない道路を作る以外に生活の糧を得る道を与えずに、しかも、そこから上前を撥ね、また、彼らを忠実な集票マシーンに仕立て上げてきたくせに、平気でその梯子をはずそうとしている政治屋ども。「店長」のワッペンと引き換えに、無報酬の超過勤務を課して平気な経営者などなど・・・・・そんな奴らは、自分の目には、金箔つきの帝国主義者に見えますけどね。それが言いすぎなら、「お帝チャン」とでも呼んであげようか。それなら十分にソフトだし、呼ばれたほうもまんざら悪い気分じゃないかもしれないしな。
打倒帝国主義。聞け、万国の労働者。夜明けは近い。不忘階級苦。さ、立ち上がるのは今だ、ニッポンのチベット人たちよ。卑屈な薄ら笑いなんて作ってる場合じゃないぜ、立て、立つんだ・・・・・ってなことを、こんな場末のブログで書いても、股金頭も誰もビビりゃしないよな、ハハハのハ、っとくら。