息子に見せたいオヤジのCD棚....#001
数年前、同じような「オヤジのCD棚」というコーナーを某掲示板に設けてみたのですが、すぐに閑古鳥な鳴きはじめて開店休業状態・・・・・。でも、一時はそれなりに盛り上がったので、ここでもう一度復活させてみようと思いますます。時代や国籍やジャンルは問わず、自分のLP・CD棚に鎮座するアルバムを気まぐれにピックアップして、勝手なとんちんかんコメントを添えながら紹介します。お付き合いのほど、よろしく!
■Q: Are We Not Men? We Are Devo/DEVO (1978年)
第1回のきょう紹介するのは、アメリカのニューウェーブバンド「DEVO」の邦題「頽廃的美学論」です。
Q: Are We Not Men? We Are Devo
- アーティスト: Devo
- 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
- 購入: 3人 クリック: 19回
- この商品を含むブログ (47件) を見る
パンクの時代は長つづきはしませんでした。でもその後、ポストパンクとかいうレッテルを貼った、ニューウェーブな連中が続々と登場します。そのひとつが、五大湖沿岸の化学工業都市アクロンから出てきた「DEVO」でした。日本では、YMOやクラフトワークあたりと並列的に語られましたが、自分の耳には、はじめてピンとくるメッセージを持った「パンク」として聞こえました。
国家や世界情勢に反逆する正直なモチベーションはなくても、十代後期の少年ですから、それなりに出所不明なイライラ感や不満は持ち合わせており、そんなもやもやな気分が、このアルバムに収められている「サティスファクション」と見事に共振したのです。また、ただ理屈を並べるばかりで無力な自分をあざ笑うような「プレイング・ハンズ」、バンド名「DEVO=devolution=退化」の謎解きにも通じる「ジョコ・ホモ」などなど、それらのシニカルな主張に大いに共感しました。
現在の日本の若者には、当時の私たち以上に、自分たちを取り囲む現状に対する不満を持っているはずです。でも、その不満な思いは、無力感や厭世感に醸成され、自殺や自殺と同根の心理で行われる犯罪として現象化はしても、怒りや反逆には結びつかないでいるように見えます。チャートを席巻する歌はあいかわらず、惚れた腫れたや呑気なバラードばかり。それが日本人の気質なのかな・・・・・なんだか物足りない。あのパンクムーブメントから30年。今となっては、なんだか懐かしく、まぶしく想いで振り返りたくなってしまうオジサンではあります。