総理大臣の漢字テスト

わが国の総理大臣は、漢字がよく読めないらしい。非番の今朝、ワイドショーを見ていたら、面白いトピックが流れてきました。では、問題です。下の漢字の読み方は?
(1) 詳細
(2) 踏襲
(3) 頻繁
(4) 未曾有
麻生太郎さんの回答は、(1)ようさい、(2)ふしゅう、(3)はんざつ、(4)みぞゆう。で、そのことを記者から問われると、「それは単なる読み間違い、もしくは勘違い。はい」と一蹴して退散(笑)。

ろくすぽ文字の読めない一国のリーダーというものが「みぞゆう」かというと、そうでもなくて、アメリカにもいました。アンドリュー・ジャクソン、第7代アメリカ合衆国大統領です。
ジャクソンは、1767年、カロライナの開拓地で生まれました。当時のカロライナ開拓地というのは、ジャングル、とよぶにふさわしい深い森林地帯だったようで、満足な教育は受けられなかったといいます。さらに、独立戦争で肉親の大半を失ったアンドリューはイギリス軍の捕虜になるという苦境にも立たされます。しかし、第二次独立戦争とも称される米英戦争で勇敢に戦い、「オールド・ヒッコリー(ヒッコリーは、東部の森林地帯に自生するサワクルミの木。材質は重硬で、強度に優れる)」の名で尊敬を人びとの集め、大将にまで登りつめます。
戦後、政界に転身したアンドリューは、下両院議員・最高裁判所勤務の経歴をへたのち、フロリダ州知事になります。そしてついに、1829年、合衆国大統領に就任します。
ジャクソン大統領の執務室には、毎日おびただしい数の文書が回ってき、彼はそれらを決済しなくてはなりません。文書の内容が適切であれば、"All Correct"とサインするのだそうです。ところが、アンドリューは読み書きが苦手、しばしば発音通り"Oll Korrect"と綴ってしまったそうです。側近からその癖を何度も注意されたジャクソン大統領は、「ええい、めんどうじゃ」と言ったかどうか別として、堂々と"O.K."と記すようになったそうです。
「OK」の由来としては、このジャクソン大統領起源説のほかにもいくつかあるようですが、私は、この話が好きです。
ジャクソン大統領は、議会から不信任決議を出された、アメリカ史上「みぞゆう」の大統領ではありますが、その統治時代は「ジャクソニアン・デモクラシー」と呼ばれるほど、民主主義が大いに進展した時代でもあり、現行の20ドル札にジャクソン大統領が描かれていることからも、彼の功績が今なお高く評価されていることをうかがえます。
さて、学習院大学政経学部卒業後、スタンフォード大学大学院、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスへの留学を経験するなど、人並み以上の学歴を有するわれらが麻生総理大臣。この人の肖像が日本円の意匠に選ばれる日は、やってくるのでしょうか?